ジャーミノーマ(胚腫)の抗がん剤治療体験記

ジャーミノーマ(胚腫)の抗がん剤治療体験記

抗がん剤というワードは、世間に広く浸透しています。Googleで「抗がん剤」と検索すると、病院の公式サイトや、治療を経験された方の日記ブログがたくさん出てきます。テレビドラマ等を通じて、「抗がん剤 = 吐き気と抜け毛」といったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

ところが、抗がん剤の副作用を患者視点で体系的に説明した記事はそう多くありません。抗がん剤治療を現在進行形で経験している私は、少なくともそう感じました。

この記事では、現在「胚腫(ジャーミノーマ)」という病気で入院中の患者が、化学療法(抗がん剤治療)で体験した副作用と、その教訓・対処法をできる限り詳しく解説します。

※この記事は、あくまで個人の実体験に基づく見解に過ぎません。正確な情報を知りたい場合は、この記事の情報を鵜呑みにせず、お近くの医師にご相談ください。

1. 治療までのいきさつ

そもそも抗がん剤治療を受けている理由は、胚腫(ジャーミノーマ)と呼ばれる腫瘍を治すためです。胚腫とは精子や卵子のもとの細胞が腫瘍となったもので、著者の場合は脳下垂体の鞍上部という箇所に見つかりました。胚腫について詳しく知りたい方は、下記サイトをご覧ください。

現在23歳の私は、今年4月に東京の会社に就職。ところが入社3ヶ月も経たないうちに、抑うつ、目眩、だるさ、食欲不振といった症状が現れます。足を運んだ心療内科で適応障害と診断され、休職を決断しました。

その後、血液検査で肝機能と白血球の値に異常が見られ、急遽総合病院を受診。脳下垂体に炎症が見つかり、リンパ球性下垂体炎の疑いがあると診断されます。2ヶ月間ステロイド治療を試みましたが、効果はありませんでした。

そこで、診断を確定させるために炎症の一部を採取する手術を実施。胚腫の確定診断が下り、入院しながら化学療法を3ヶ月間、放射線治療を13日間行うことが決まりました。

2. 使った抗がん剤

今回治療に使用した抗がん剤は、カルボプラチンエトポシドです。これらを投与する化学療法はCARE療法と呼ばれ、胚腫を治療するひとつの手段として確立しています。

CARE療法では、カルボプラチンとエトポシドを3ヶ月間かけて3回点滴します。まずは3日間かけて1回目の投与を行い、その後3週間副作用の状況を経過観察。回復を確認し次第、2クール目以降も同様に投与、経過観察の流れとなります。

私自身、治療の説明を受けた際に「なぜ投与後に1ヶ月も様子を見るのか」と思いましたが、投与後すぐにその理由を身をもって知りました。あまりにも主治医の説明どおりに副作用が出たためです。

3. 一般的な副作用

CARE療法では、一般的に次のような副作用が出やすいといわれています。

  • 吐き気・食欲不振(投与当日〜数日後)
  • 口内炎(投与数日〜約2週間後)
  • 貧血・感染症・出血(投与約1週間後)
  • 脱毛(投与約2週間後〜長期)

ただし、副作用の症状や発現時期には個人差があるため注意しなければいけません。人によってはアレルギー反応、肝障害、腎障害、しびれなどが現れるケースもあるそうですし、著者のように投与当日から1週間後まで食欲不振が続くケースもあります。抗がん剤は血液にのって全身を巡るため、その人の身体の状態や排泄能力などによって副作用の出方が変化するのです。

尚、CARE療法の一般的な副作用についてさらに詳しく知りたいは、下記の資料をご覧ください。

4. 副作用のスケジュール

では、CARE療法2クール目を終えた著者はどんな副作用を経験したのか、カレンダー形式でご紹介します。図1は1クール目、図2は2クール目における副作用を示しています。

CARE療法の副作用【1クール目】
図1:CARE療法の副作用【1クール目】
CARE療法の副作用【2クール目】
図2:CARE療法の副作用【2クール目】

図1・図2から、著者が経験した副作用の特徴として2点挙げられます。

まず、一般的な副作用とおおむね同じ症状が出た点です。食欲不振、貧血・疲労感、口内炎、脱毛といった症状は、発現時期に差はあるものの一般的な副作用と合致しています。発熱についても、白血球数が減少し感染症にかかりやすくなった期間と一致するため、自然な症状でしょう。

続いて、クール間で異なる症状が出た点です。1クール目では感じなかった吐き気が、2クール目で6日間身体を苦しめることに。症状や発現時期には個人差があるとお伝えしましたが、その個人の中でさえも、クールごとに副作用の出方に違いが見られる結果となりました。

5. 副作用の各症状と対処法

ここからは、私自身が経験した副作用の各症状と、具体的な対処法を詳しくご紹介します。尚、前章をお読みいただいた方はおわかりかと思いますが、症状には個人差やクール差がある点にご注意ください。

症状1 : 吐き気・食欲不振

抗がん剤の症状として真っ先に連想されるのが、恐らく吐き気でしょう。吐き気や食欲不振が起きる原因は、抗がん剤が脳の嘔吐中枢を刺激するためといわれています。一般的には投与当日から数日で収まることが多いですが、人によっては長期間続いたり、嘔吐してしまうケースもあります。

著者の場合は1クール目、2クール目ともに投与後数日間は食欲不振、特に2クール目では吐き気を感じました。2クール目の吐き気でメンタルが落ちたのは前述のとおりですが、胃酸が大量に分泌されているような重たい気持ち悪さに苛まれました。

具体的な症状と効果的だった対処法は、表1のとおりです。

症状効果的だった対処法
嘔吐するまではいかないが、今にも胃酸が上ってきそうな感覚が常時あった。無理して食べないようにし、症状が酷いときには吐き気止めを追加で注射してもらった。
甘めの味付けがされているおかずや、白米は食べる気が起きなかった。無理して食べないようにした。
消化にエネルギーを使うためか、食後はいつもよりも眠くなった。水平だと余計に気持ち悪くなるため、ベッドを30°に傾けて寝た。
ゼリーやヨーグルト、果物といった甘酸っぱいものが食べたくなった。食事制限がなかったため、食欲増進のため炭酸水とジュースを割って飲んだ。
おかずの匂いで胃がムカムカしてくるので、食べるのが辛かった。おかずを食べるのが辛い場合は手をつけず、最低限主食を食べるようにした。
病院食への飽きが食欲不振に拍車をかけた。主食をお粥、そうめん、うどんに変更してもらい、海苔の佃煮を追加してもらった。
座ったり立ったりすると吐き気が増大した。無理せず横になるようにした。
表1:吐き気・食欲不振の症状と効果的だった対処法

表1の症状と対処法を踏まえると、吐き気や食欲不振に対処する上で重要なポイントは次の3点です。

  1. 無理せず食べられるものを食べること
  2. 吐き気が和らぐ姿勢でいること
  3. 吐き気が強まるようなら、遠慮せず医師や看護師に申し出ること

吐き気や食欲不振は時間が過ぎれば引いてくるものですので、それまでいかに気持ち悪さを軽減できるかが肝です。“とにかく無理しない” をモットーに過ごすとよいでしょう。

症状2 : 口内炎

ただでさえ食欲が落ちている状態に、痛みで追い討ちをかけるのが口内炎です。口内炎は、抗がん剤が口の粘膜に効くことによって、または白血球数が減少し粘膜の抵抗力が落ちることによって起きるといわれています。投与後数日から2週目あたりに現れることが多いですが、それ以上続くケースもあります。

著者の口内炎は2週目にでき、3週目に引きました。経験した副作用の中では最もスパンが長かったのではないでしょうか。とはいえ、白血球数が回復したタイミングで一気に炎症が収まったのが不幸中の幸いでした。

具体的な症状と効果的だった対処法は、表2のとおりです。

症状効果的だった対処法
初期症状として、歯茎が少し腫れてきた。歯磨きの際、歯茎を刺激しないように優しく磨くようにした。
奥歯に近い場所に数箇所口内炎ができ、口を開ける際に痛みを感じた。病院の口腔外科から処方されたうがい薬を用いて、こまめにうがい・歯磨きをするようにした。
喉に近い場所に数箇所口内炎ができ、飲み込む際に痛みを感じた。無理せずゆっくりと飲み込むようにした。
舌に数箇所口内炎ができ、食べ物が染みて痛かった。無理せずゆっくりと食べるようにした。
表2:口内炎の症状と効果的だった対処法

表2の症状と対処法を踏まえると、口内炎に対処する上で重要なポイントは次の3点です。

  1. こまめにうがいをする
  2. 優しく歯を磨く
  3. 無理せずゆっくりと食べる・飲む 

地味にしんどい口内炎。患部を刺激しないよう自分のペースで食事をとりつつ、口の中を清潔に保ちましょう。

症状3 : 貧血・疲労感

吐き気が一段落した矢先にじわじわと現れるのが、貧血・疲労感といった症状です。貧血は「抗がん剤を流す → 血液の細胞をつくる骨髄のはたらきが抑えられる → 血液中の赤血球が減る」といったしくみで起こるといわれています。発現時期の目安は、2週目から3, 4週目あたりです。

血液検査で貧血度を測定できる一つの指標が、赤血球の色素であるヘモグロビン(Hb)の値です。著者の場合、2クール目の11日目時点における Hb の値が、今年(2021年)7月時点に比べて減少していました(表3)。主治医によれば、抗がん剤による影響であろうとのことです。

検査項目2021.72クール11日目正常値
Hb13.48.813.6 ~ 18.3 (g/dL)
表3:血液検査におけるヘモグロビンの値の推移

実際、1クール目、2クール目いずれも2週目に表4のような貧血症状を自覚していたので、検査値を比較してみて「あぁ合点がいくな」と思いました。

具体的な症状と効果的だった対処法は、表4のとおりです。

症状効果的だった対処法
リハビリに取り組んだ際、いつもよりも疲れやすく感じた。リハビリの担当者に疲れやすい旨を伝えた。
いつもは眠くならない時間帯に眠くなった。無理せず横になった。
食事後の眠気が通常よりもひどかった。水平だと気持ち悪くなるかもしれないため、ベッドを30°に傾けて寝た。
時折、視界が揺れる(目眩に近い)感覚があった。無理せず横になった。
表4:貧血・疲労感の症状と効果的だった対処法

表4の症状と対処法を踏まえると、貧血・疲労感に対処する上で重要なポイントは次の3点です。

  1. 疲れたら休む、寝る
  2. 立ち上がるとき、歩くときはゆっくりと
  3. 貧血症状がある旨を医師や看護師に言っておく

貧血は、転倒などの二次被害を生むリスクもあります。症状を感じたら無理せずに休みましょう。

症状4 : 感染症

化学療法の大ボスともいえる副作用が、感染のしやすさかもしれません。これは「抗がん剤を流す → 骨髄のはたらきが抑えられる → 血液中の白血球が減る」といったしくみで起きます。普段血液に入る悪い菌を始末してくれている白血球が減るので、ちょっとした菌でも感染しやすくなるわけです。尚、発現時期は投与2週目から3, 4週目あたりです。

著者の場合も例外でなく、血液検査で白血球(WBC)が減少。元々白血球は多めなのですが、2クール目11日目の時点でガクンと減っていました(表5)。ちなみにデータこそないものの、1クール目の同時期には約 800/μL という危険な数字を叩き出した実績もあります。

検査項目2021.72クール11日目正常値
WBC1124027603900 ~ 9700 (/μL)
表5:血液検査における白血球の値の推移

普段は大部屋に入院している私ですが、白血球の少ない期間は感染予防のため個室に移動しました。隔離中は部屋から一歩も出られないため、売店はおろか飲料水を汲みにも行けません。それでも1クール目、2クール目ともに37.5℃以上の熱を2日間経験することになったので、いかに白血球が偉大かを実感しました。

具体的な症状と効果的だった対処法は、表6のとおりです。

症状効果的だった対処法
抗がん剤投与1週間後、白血球数が減少し始めた。手洗い・うがい・マスク着用を徹底した。また、売店には人のいない時間帯に行くようにした。
初期症状として寒気がした。すぐに症状を看護師さんに伝えた。
熱が38℃台まで上がった。抗生剤の点滴や解熱剤の処方をしてもらい、2日で36℃台まで下がった。
発熱時、頭痛と腰痛があった。痛み止めを処方してもらった。
発熱により、食欲不振に陥った。無理せず食べられるものを食べた。
風邪のときのような喉の痛みがあった。こまめにうがいをするようにした。
表6:発熱の症状と効果的だった対処法

表6の症状と対処法を踏まえると、感染症へのかかりやすさに対処する上で重要なポイントは次の3点です。

  1. 感染予防のため、こまめに手洗い・うがいをする
  2. 発熱や体調の異変を感じたら、すぐ医師や看護師に申し出る
  3. いつもよりも身体を休める

抵抗力の弱っている状態で菌に感染してしまうと、症状が重くなるリスクが非常に高くなります。だからこそ感染対策の徹底は必要不可欠です。とはいえ感染リスクをゼロにすることはできませんから、発熱や体調の異変を感じた場合は、気づいた時点ですぐに医師や看護師に申し出ましょう。

症状5 : 出血しやすさ

骨髄のはたらきが抑えられることで、血液中の血小板も減少します。血小板は出血を止める役割を担っているため、傷から出血しやすい状態になるわけです。貧血や感染症と同様、発現時期は投与2週目から3, 4週目あたりが目安とされています。

表7のとおり著者の血小板(PLT)も減少しましたが、これといった症状は出ませんでした。

検査項目2021.72クール11日目正常値
PLT36.96.314.0 ~ 37.9 (x10^4/μL)
表7:血液検査における血小板の値の推移

とはいえ転倒や打撲の際に血が止まらなくなるリスクが高まるので、血小板が減少している期間は以下のような心掛けが必要でしょう。

  1. 普段よりもゆっくり身動きをとる
  2. 走らない
  3. 転んだりぶつけたりしたら、すぐに医師や看護師に言う

症状6 : 脱毛

吐き気と並んで広く認知されている副作用が脱毛でしょう。毛のもととなる細胞は、細胞分裂が活発です。そのため抗がん剤のダメージを受けやすく、結果として投与後2, 3週目を目安に抜け始めてしまうようです。しかしながら、半年が経った頃にはまた生えてくるといわれています。

図3は、著者の髪の毛が減っていくようすです。抜け始めは1クール目の2週目のこと。何気なく自分の頭を触った際、手のひらに髪の毛が大量に付着しており「本当に抜けるんだ」と驚いた覚えがあります。抜け毛に気づいた5日後には頭皮がこんにちはと姿を見せ、残りし髪の毛たちもその後さよならを告げて去っていきました。

脱毛のようす
図3:脱毛のようす

脱毛の際に困ったことと効果的だった対処法は、表8のとおりです。

困ったこと効果的だった対処法
枕が抜け毛まみれになった。看護師さんにコロコロを借りて掃除した。
頭を洗う際、頭皮がチクチクと痛んだ。洗剤をよく泡だてて、優しくゆっくりと洗うようにした。
シャワーの際、抜け毛が排水溝が詰まりそうになった。抜け毛を手ですくおうとするとキリがないので、シャワー直後に看護師さんに掃除してもらうように申し出た。
髪の毛が抜けてくると頭が寒くなった。コットン素材の肌に優しい帽子を購入した。
表8:脱毛の症状と効果的だった対処法

ちなみに著者が購入した帽子はこちらです。病院の売店で販売されているコットン素材の帽子の被り心地もよかったのですが、冬を過ごすには生地が薄かったため買いました。保温性もフィット感もばっちりです(案件ではありません)。

表8の困ったことと対処法を踏まえると、脱毛に対処する上で重要なポイントは次の3点です。

  1. 頭皮を優しく洗う
  2. 頭皮が寒い場合には帽子を買う
  3. 抜け毛は半年の辛抱と割り切る

髪の毛で守られていた頭皮は、外からの刺激を受けやすくなっています。洗い方や帽子に注意しましょう。

そして、著者の場合は幸いにも脱毛をこうやってコンテンツにできましたが、落ち込んでしまう方もいらっしゃると思います。医師や薬剤師は「半年程度で生えてきますよ」と軽く話しますが、半年って長いですから。そんなときは、今の気持ちを看護師さんや信頼できる人に話してみるのも一つの手かもしれません。

6. 治療の教訓

私が治療で何より大切だと感じたこと、それは以下の3点です。

  1. 一般的な副作用を知っておくこと
  2. 症状に個人差やクール差があると理解しておくこと
  3. 無理をせず、医者や看護師を頼ること

教訓1 : 一般的な副作用を知っておく

第一に大切なことは、一般的な副作用を知っておくことです。

食欲不振や吐き気を感じたときは「無理して食べない」、白血球が減少し発熱したときは「ラジオやYouTubeを聴きながら寝よう」、髪の毛が抜け始めたときは「ネタにできそう(笑)」。副作用をすんなりと受け入れられたのは、そして現にこうして副作用の特徴を比較分析できているのは、事前に症状を予測できていたおかげです。

多くの場合、化学療法前に副作用の説明があります(著者もそうでした)。資料に目を通し説明をよく聞くことが、後々の苦しみを和らげることになるでしょう。事前に医師、看護師、薬剤師に疑問点や懸念点を聞いておくのも大事ですね。

もし、副作用のことがわからない、医師、看護師、薬剤師に聞きづらいといった方は、下記のサイトを参考にしてみてください。ただし著者は専門家ではないため、内容の正確さは保証しかねます。

教訓2 : 症状に個人差やクール差があると理解しておく

次に大切なことは、症状には個人差やクール差があると理解しておくことです。

一般的な副作用を知っていたとは言いましたが、いわゆる “大誤算” もありました。2クール目初日から6日間の吐き気で、大きくメンタルを落としたのです。「吐き気は1クール目で感じなかったし、2クール目でも平気だろう」とたかをくくっていたのが原因でしょう。

抗がん剤は血液にのって循環・排泄されるのだから、個人はもちろん、クールによっても差が出て当然。このことを頭の片隅に置いておけば回避できた苦しみだったよな、と今になって感じます。

しょっちゅう見かける「症状には個人差があります」という注意書き。初めて自分ごとに感じたのが今回の治療でした。これから治療を受けられる患者さんは、症状に個人差やクール差があると予めわかっておくと、治療中の不安感が緩和されるかもしれません。

教訓3 : 無理をせず、医師や看護師を頼る

最後に肝心なのが、無理せず医師や看護師に頼ることです。

先ほど副作用対処のポイントを述べてきましたが、その中で「医師や看護師に申し出る」や「無理をしない」といった言い回しを多く使いました。ありきたりかもしれませんが、それほど大切なことなのです。

実際に私も、発熱している時期に頭痛を我慢し、眠れないほど悪化してから痛み止めを頼んだことがあります。そのとき看護師さんに言われたのは、「早めに言ってください、無理は禁物です」という言葉でした。

抗がん剤は身体の中の細胞に作用するので、不調が起きるのは当たり前です。ただ、異変を看護師さんにすぐ伝えることで、症状の悪化を食い止められることはあります。治療自体には我慢して取り組まなければいけませんが、症状は我慢しないでください。余計に酷くなるだけですし、辛くなるだけです。

7. 最後に

長く険しく不安定な化学療法を乗り切るのは、決して容易なことではありません。だからこそ副作用を知っておくこと、症状の千差万別さを理解すること、そして無理せず医師や看護師を頼ることによって、持久力を維持する必要があるのです。

…と偉そうに語っている私自身も、まだ治療を受けている最中です。近日中に3クール目に入りますので、その状況もこの記事で更新していけたらと思っています。

※この記事は、あくまで個人の実体験に基づく見解に過ぎません。正確な情報を知りたい場合は、この記事の情報を鵜呑みにせず、お近くの医師にご相談ください。

最後に、化学療法をこれから受けられる患者さんや、そのご家族にとってこの記事がお役に立てれば嬉しいです。もしよろしければシェアをお願いいたします。